「まぜるな危険」とは、塩素系の漂白剤やカビ取り剤などと、酸性タイプの洗浄剤などが混ざると、有害な塩素ガスが発生するおそれがあるため、混合して使用してはいけないことを示す表示です。 
【なぜ危険なのですか】
家庭用の塩素系漂白剤やカビ取り剤には、主成分として次亜塩素酸ナトリウムなどが含まれています。これらはアルカリ性の状態では比較的安定していますが、酸性の物質が加わると分解し、塩素ガスが発生することがあります。
代表的な反応は次のように表されます。
NaClO + 2HCl → NaCl + H₂O + Cl₂
発生した塩素ガスは刺激性のある有毒な気体で、吸い込むと目や鼻、喉などの粘膜に強い刺激を与え、咳や呼吸困難などの症状を引き起こすことが知られています。過去には、掃除中に発生した塩素ガスで死亡事故も発生したこともあり、厚生労働省の「家庭用品に係る健康被害の年次とりまとめ報告」によると、洗浄剤による吸入事故等の報告件数は、2021年から2024年度において常に吸入事故の1位となっています。
【家庭ではどのような製品がありますか】
塩素系の製品には、浴室用カビ取り剤、台所用漂白剤、衣類用漂白剤、排水口用クリーナーなどがあります。
一方、酸性タイプの製品には、水あかや石けんカスを落とす浴室用洗浄剤や、尿石を落とすトイレ用洗浄剤などがあります。
また、錠剤タイプの塩素系製品には、ジクロロイソシアヌル酸塩などのイソシアヌル酸系化合物が含まれていることがあります。これらは酸性の製品、液体の塩素系の製品と混合すると塩素ガスが発生することがあります。
【安全に使用するための注意】
塩素ガスの発生を防ぐため、次の点に注意してください。
・「塩素系」と「酸性タイプ」の製品を絶対に同時に使用しない
・「まぜるな危険」と表示のある製品は単独で使用する。排水トラップ内には、以前に使用した洗浄剤が残留している場合があるため、使用後は十分に水を流し、他の洗浄剤等を続けて使用することは避ける。
・塩素系洗浄剤を使用する際には、換気を十分に行い、保護具を着用する。
また、レモンや食酢などの酸性の食品や、クエン酸、アルコールなどと塩素系製品を混合した場合にも、塩素ガスが発生することがあります。
【混ぜてしまった場合】
万が一混合してしまった場合は、すぐに十分な換気を行い、その場を離れてください。目や喉などに刺激を感じた場合は、洗眼やうがいを行い、体調に異常がある場合は医療機関を受診してください。
参考情報
国民生活センター注意喚起:「住宅用塩素系洗浄剤の使い方-まぜるな危険!浴室などで事故が発生しています-」
日本家庭用洗浄剤工業会:塩素系製品に関して
厚生労働省:家庭用品に係る健康被害の年次とりまとめ報告